猫がフミフミする理由とは?子猫気分の甘えや愛情表現のサイン?

猫がフミフミする理由 猫の行動と心理

猫の「フミフミ」行動:子猫時代の名残?その心理と愛すべき理由

愛猫がふかふかの毛布や、飼い主さんのお腹の上で、前足を交互に動かして「フミフミ」している姿。
そのトロンとした目つきと、一生懸命な足の動きを見ていると、日々の疲れが吹き飛ぶほど癒やされますよね。

「パン職人」や「うどん職人」とも呼ばれるこの可愛いしぐさですが、一体なぜ大人の猫になってもこの行動をするのでしょうか?
「甘えているのかな?」「もしかしてストレス?」と気になっている飼い主さんもいるかもしれません。

この記事では、猫がフミフミをする本当の理由や、その時の心理状態、そしてやめさせるべきかどうかの判断基準について詳しく解説します。猫語とも言えるこのボディーランゲージを読み解いて、愛猫との仲をさらに深めましょう。

猫がフミフミする最大の理由は「子猫返り」

猫がフミフミする行動のルーツは、ずばり「授乳期」にあります。

生まれたばかりの子猫は、母猫のおっぱいを飲みながら、前足で母猫のお腹を交互に押します。こうすることで乳腺を刺激し、母乳の出を良くしているのです。この本能的な行動を「ミルクトレッド(Milk tread)」と呼びます。

大人になった猫がフミフミをするのは、柔らかくて温かい感触に触れることで、この幸せだった授乳タイムを思い出し、「子猫気分」に戻っている(幼児退行している)からだと言われています。

フミフミに込められた4つの心理的メッセージ

基本的には「子猫気分」ですが、状況によって猫の心理にはいくつかのバリエーションがあります。

1. 究極のリラックスと甘え

眠い時や、飼い主さんに撫でられて気持ちいい時にフミフミが出るのは、心身ともにリラックスしている証拠です。
「ママに抱かれているみたいで安心するニャ〜」という、幸福感に満ち足りた状態です。この時、猫の脳内では「エンドルフィン」という幸せホルモンが分泌されているとも言われています。

2. 飼い主への愛情表現(大好き!)

飼い主さんの膝やお腹に乗ってフミフミする場合、あなたは猫にとって「母猫のような存在」として認識されています。
「守ってくれる安心できる人」「大好きな人」という最上級の信頼と愛情のサインです。痛いかもしれませんが、愛されている証拠ですので、優しく受け止めてあげてください。

3. 自分の寝床を整えている(野生の本能)

眠る直前に布団やクッションをフミフミする場合、野生時代の本能が関係していることもあります。
野生の猫は、草や落ち葉を踏み固めて、寝心地の良いベッドを作ってから眠ります。その名残で、「ここを寝やすく整えよう」と足踏みをしているのです。

4. マーキング(私のもの!)

猫の肉球には「臭腺」という匂いを出す器官があります。お気に入りの毛布や、大好きな飼い主さんをフミフミすることで、自分の匂いを擦り付け、「これは私のものだ!」「私の縄張りだ!」と主張(マーキング)しているケースもあります。

「親離れが早すぎた猫」しかやらないって本当?

よく「フミフミするのは、母猫と早く引き離された寂しさからくる行動だ」という説を耳にします。これは半分正解で、半分は誤解です。

  • 早期離乳の影響:確かに、十分におっぱいを飲めないまま母猫と離れた猫は、その欲求不満を解消するために、大人になってもフミフミを強く行う傾向があると言われています。
  • 愛情深い猫もする:一方で、母猫と十分な期間一緒に過ごした猫や、高齢になった猫でもフミフミをすることは珍しくありません。

つまり、フミフミをするからといって必ずしも「寂しい過去がある」「トラウマがある」というわけではありません。「今の暮らしが平和で、飼い主さんに甘えられる環境だからこそ出る行動」とポジティブに捉えても大丈夫です。

フミフミと一緒に見られる行動の意味

足踏みだけでなく、同時に別の行動をしていることもあります。

チュパチュパ吸う(ウールサッキング)

フミフミしながら、毛布や飼い主の服を吸ったり、噛んだりする行動です。より強く授乳シーンを再現しています。
特にシャム猫やバーミーズなどの東洋系の猫種に多いと言われています。

ゴロゴロ喉を鳴らす

これは文句なしに「幸せ」のサインです。母猫におっぱいを飲んでいる時、子猫は「元気に飲んでいるよ」と伝えるために喉をゴロゴロ鳴らします。その習性がそのまま出ています。

後ろ足も使ってフミフミする

前足だけでなく後ろ足も動かしている場合、または腰を振るような動きの場合は、発情期に関連した行動(マウンティングの一種)である可能性もあります。お気に入りのぬいぐるみなどに対して行うことが多いです。

フミフミはやめさせるべき?注意点と対処法

基本的にフミフミは、猫のリラックス行動なので、無理にやめさせる必要はありません。しかし、いくつか注意が必要なケースもあります。

1. 爪が刺さって痛い場合

猫は無心でフミフミしているため、爪が出しっぱなしになっていることがよくあります。飼い主さんの太ももやお腹に穴が開く前に、以下の対策をしましょう。

  • こまめに爪を切る:先端を少し切るだけでも痛みは軽減します。
  • 厚手のものを挟む:猫と自分の間に、厚手のブランケットやクッションを挟んで、その上からフミフミしてもらいましょう。

※痛いからといって大声で怒ると、猫は「甘えていたのに拒絶された」とショックを受けてしまいます。そっと足の下に布を入れるなど、穏やかに対処しましょう。

2. 布を食べてしまう場合(誤飲)

布を吸う(ウールサッキング)行動がエスカレートし、繊維を飲み込んでしまう場合は注意が必要です。腸閉塞などの原因になる可能性があります。
食べてしまいそうな素材の毛布や服は猫の手の届かない場所に片付け、噛んでも安全なおもちゃを与えるなどの工夫をしてください。

ワンポイントメモ:オスとメスで違いはある?
性別に関係なく、オスもメスもフミフミします。ただ、一般的にオス猫の方がいつまでも「甘えん坊」な性格の子が多い傾向があり、成猫になっても頻繁にフミフミする姿が見られることが多いようです。

まとめ:フミフミは幸せな「子猫返り」の時間

猫のフミフミは、温かい記憶を思い出している癒やしの時間であり、飼い主さんへの深い信頼と愛情の証です。

「もう大人なのに…」なんて思わず、「今日は甘えたい気分なんだね」と優しく見守ってあげてください。一心不乱にフミフミしている愛猫の姿は、見ている私たちにも幸せホルモンを与えてくれる、かけがえのない宝物のような時間なのですから。