猫の夢の内容:どんな夢を見ている?ピクピク動く理由と脳内の秘密
愛猫が気持ちよさそうに眠っている姿を見ていると、急にヒゲがピクピクしたり、手足が走るように動いたり、「ムニャムニャ」と寝言を言ったりすることはありませんか?
そんな時、飼い主さんはふと思うはずです。
「猫も夢を見るのかな?」
「今、どんな夢を見ているんだろう?」
実は、近年の研究によって、猫も人間と同じように、しかもかなり頻繁に夢を見ている可能性が高いことがわかってきました。
この記事では、猫の睡眠のメカニズムを紐解きながら、しぐさから推測できる「猫の夢の内容」や、悪夢を見ている時の対処法について詳しく解説します。愛猫の寝顔を見るのが、今まで以上に楽しくなるはずです。
そもそも猫は本当に「夢」を見るの?
結論から言うと、猫は夢を見ます。
これは、猫の睡眠サイクルが人間と非常によく似ていることから証明されています。
「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」
睡眠には、浅い眠りの「レム睡眠(体は休んでいるが脳は起きている)」と、深い眠りの「ノンレム睡眠(脳も休んでいる)」の2種類があります。
人間はレム睡眠の時に鮮明な夢を見ることが多いですが、猫にもこのレム睡眠が存在します。しかも、猫の睡眠時間のうち、レム睡眠が占める割合は人間よりも高いと言われているのです。
1960年代に行われた有名な実験(ミシェル・ジュベ教授の研究)では、睡眠中の猫の脳波を調べたところ、獲物を捕まえようとする時と同じ脳波が出ていることが確認されました。つまり、猫は寝ながらにして、脳内でリアルな体験(夢)を再生しているのです。
しぐさで診断!猫はどんな夢を見ている?
猫に「どんな夢見てたの?」と聞くことはできませんが、寝ている時の体の動き(ボディーランゲージ)から、ある程度推測することは可能です。
あなたの愛猫は、どのタイプの動きをしていますか?
1. 狩りをしている夢(ハンティング)
【特徴】
- 手足をバタバタと小刻みに動かす(走っている動き)
- しっぽをパタンパタンと振る
- 「カカカッ」「ケケケッ」と短く鳴く(クラッキング)
- ヒゲが前に向く
【内容】
これが最も多いパターンでしょう。夢の中で鳥やネズミ、あるいはお気に入りのおもちゃを全速力で追いかけています。「もう少しで捕まえられる!」という興奮状態にあるようです。
2. 美味しいご飯を食べている夢
【特徴】
- 口をムニャムニャ、クチャクチャ動かす
- 舌をペロッと出す
- よだれを垂らしている
【内容】
大好物のカリカリや、チュールのようなおやつを食べている夢です。もしくは、母猫のおっぱいを飲んでいる子猫時代の夢を見ている可能性もあります。とても幸せな夢ですね。
3. 喧嘩をしている・怒っている夢
【特徴】
- 「ウゥ〜」「シャーッ!」と低い声で唸る
- 背中の毛が逆立っている
- 耳が後ろに倒れている(イカ耳)
- しっぽが膨らんでいる
【内容】
ライバルの猫と縄張り争いをしているか、嫌いなシャワーや病院などのストレスフルな状況と戦っているのかもしれません。見ていると可哀想になりますが、脳内でストレス処理をしている最中でもあります。
4. 飼い主さんに甘えている夢
【特徴】
- 「クルルッ」「プゥ」と高い声で鳴く
- 前足で空間をフミフミする
- 顔の筋肉が緩んでいる
【内容】
大好きな飼い主さんに撫でてもらったり、抱っこされたりしている夢でしょう。このしぐさが見られたら、飼い主として自信を持ってください。あなたは夢に出演するほど愛されています。
猫が悪夢を見ていそうな時、起こすべき?
愛猫が「ウニャウニャ!」と苦しそうにうなされていたり、手足を激しく痙攣させていたりすると、「怖い夢を見ているのかな?起こしてあげたほうがいいかな?」と心配になりますよね。
基本的には「起こさない」が正解
可哀想に見えても、無理に起こすのはおすすめしません。理由は3つあります。
- 睡眠サイクルが乱れる:猫にとって睡眠は健康維持や成長、修復のための大切な仕事です。
- パニックになる危険:レム睡眠中は脳が興奮状態にあるため、急に起こされると「まだ敵と戦っている」と勘違いし、反射的に飼い主を噛んだり引っ掻いたりする恐れがあります。
- 心臓への負担:深い眠りから急に引き戻されることは、心身に強いストレスを与えます。
どうしても心配な場合の対処法
あまりにも激しく暴れている、長時間うなされている等で、怪我の恐れがある場合は、以下の方法で優しく介入してください。
- 体に触れずに声をかける:名前を優しく呼んであげましょう。「大丈夫だよ」と囁く程度でOKです。
- 息を吹きかける:顔に「フッ」と少し息を吹きかけると、驚かずに目を覚ますことが多いです。
- 揺すったり叩いたりはNG:強い物理的刺激は厳禁です。
なぜ猫はこんなにたくさん寝るの?
「猫」の語源が「寝子(ねこ)」であるという説があるほど、猫はよく寝ます。成猫で1日平均12〜16時間、子猫や老猫だと20時間近く寝ることもあります。
野生時代の名残
肉食動物である猫は、狩りのために爆発的なエネルギーを使います。その一瞬のために、それ以外の時間は徹底的にエネルギーを温存(=睡眠)する習性があるのです。
ただ、飼い猫の場合は「暇だから寝る」「飼い主さんがいなくて退屈だから寝る」という、平和な理由も半分くらい含まれているかもしれません。
「夢」は記憶を整理する大切な時間
人間が夢を見る理由の一つに「記憶の整理」がありますが、これは猫も同じだと考えられています。
「ここを通ったら獲物が捕れた」「この音は怖かった」「この場所は日当たりが良かった」
そうした日中の経験を、寝ている間に脳内で再生・整理し、長期記憶として定着させています。
つまり、猫がたくさん夢を見ているということは、それだけ日々の生活から多くのことを学び、学習している証拠なのです。
睡眠中の手足のピクつきは正常ですが、もし「起きているのにピクピクする」「泡を吹いている」「呼びかけても反応がなく、激しく震え続ける」といった場合は、てんかん発作や中毒などの病気の可能性があります。夢とは明らかに違う異常を感じたら、すぐに動画を撮って動物病院を受診してください。
まとめ:愛猫の夢の中に、あなたはいますか?
猫がどんな夢を見ているのか、100%断定することはできません。しかし、彼らの寝言やしぐさは、確実に脳内で繰り広げられている冒険の物語を物語っています。
もし愛猫があなたの隣で、幸せそうに前足をフミフミしていたり、ゴロゴロと喉を鳴らしていたりしたら。
それはきっと、夢の中でもあなたと一緒に過ごしている証拠です。
「今日はいい夢見てるね」
そんなふうに優しく見守りながら、飼い主さんも一緒にリラックスした時間を過ごしてくださいね。

