【猫の口内炎と食欲不振】見分け方から自宅ケア、食べない時の対策まで徹底解説
愛らしい猫が、突然ご飯を食べたがらなくなった。口元を触られるのを嫌がる。そんな時、もしかしたら「口内炎」が原因かもしれません。人間でもつらい口内炎は、猫にとっても大きな苦痛であり、特に食欲不振に直結しやすい症状です。猫は痛みを隠すのが得意な動物なので、飼い主さんが気づいた時にはすでに進行していることも少なくありません。
この記事では、猫の口内炎の主な症状と見分け方、考えられる原因、そしてご自宅でできる具体的なケアや、食欲不振に陥った際の対策を詳しく解説します。大切な愛猫が、痛みなく快適に食事を楽しめるよう、飼い主さんができることを知り、適切なサポートをしてあげましょう。自己判断が難しい場合の動物病院受診の目安もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
猫の口内炎とは?どんなサインに気づくべきか
猫の口内炎は、口の中の粘膜に炎症が起こる病気全般を指します。歯茎だけでなく、舌、頬の裏側、喉の奥など、口の中の様々な場所に炎症が生じることがあります。痛みによって食事を嫌がるようになるため、特に食欲不振に繋がりやすいのが特徴です。
口内炎の主な症状と見分け方
以下のようなサインが見られたら、口内炎の可能性を疑ってみましょう。
- 食欲不振・食欲のムラ: 急にご飯を食べなくなった、食べたいそぶりを見せるのに食べない、途中で食べるのをやめる。
- 痛みで食べるのを嫌がる: フードを目の前にしても食べようとしない、口元に手をやると怒る、食事中に痛そうに鳴く。
- 口臭が強い: いつもより口臭が強くなった、独特の腐敗臭がする。
- ヨダレが多い: 口の周りやあごが常に濡れている、ヨダレに血が混じることもある。
- 毛づくろいをしない: 口が痛いため、毛づくろいをしなくなることで被毛が汚れてくる。
- 口を気にする仕草: 口元を前足で掻く、口をパクパクさせる、開け閉めを繰り返す。
- 歯茎や口の中の赤み・腫れ: 普段は健康的なピンク色の歯茎が真っ赤に腫れている、出血している。
- 痩せてきた: 食事が十分に摂れないため、体重が減少する。
これらの症状は、猫が痛みを隠そうとするため、見逃しやすいこともあります。日頃から愛猫の口の中や食欲の変化に注意を払うことが大切です。
猫の口内炎、考えられる原因

猫の口内炎には様々な原因がありますが、複数の要因が絡み合って発症することも少なくありません。
1. 歯周病・歯石
最も一般的な原因の一つです。歯垢や歯石が蓄積することで、歯茎に炎症が起こり、進行すると歯周病になります。歯周病が悪化すると、口内全体に炎症が広がり、口内炎となることがあります。
2. ウイルス感染
猫ヘルペスウイルス、猫カリシウイルス、猫エイズウイルス(FIV)、猫白血病ウイルス(FeLV)などのウイルス感染が口内炎を引き起こすことがあります。特に猫カリシウイルス感染症は、口内炎や舌炎の主要な原因の一つです。
3. 免疫力の低下
高齢や病気などで免疫力が低下している猫は、口内炎になりやすい傾向があります。免疫力の低下により、口内細菌のバランスが崩れたり、ウイルス感染が重症化したりすることがあります。
4. アレルギー
特定のフードや環境中の物質に対するアレルギー反応が、口内炎として現れることがあります。
5. 外傷
硬いものを噛んで口の中を傷つけたり、熱いものを食べたりすることでも口内炎ができることがあります。
6. 自己免疫疾患
猫のリンパ球形質細胞性口内炎のように、自分の免疫が口内の組織を攻撃してしまう自己免疫疾患が原因で起こる慢性的な口内炎もあります。
口内炎で食べない時の食欲不振対策:自宅でできること

口内炎で痛みがある猫にとって、食事は大きな苦痛です。しかし、食べない状態が続くと体力が落ち、病気の回復も遅れてしまいます。自宅でできる食欲不振対策と、食事の工夫をご紹介します。
1. 食事の形態を工夫する
硬いフードは痛みを伴うため、柔らかく、食べやすいものに変えてあげましょう。
- ウェットフードの活用: 総合栄養食のウェットフードは、水分も豊富で消化吸収も良いのでおすすめです。
- ドライフードをふやかす: 普段食べているドライフードをぬるま湯でふやかし、柔らかくして与えましょう。
- 流動食にする: ウェットフードや猫用ミルクをブレンダーでペースト状にし、シリンジなどで与えることも検討しますが、無理強いは避けましょう。
- 猫用ペーストやおやつ: 食欲増進のため、嗜好性の高い猫用ペースト状のおやつや、栄養補助食品を試してみるのも良いでしょう。
2. 食事の温度に気を配る
冷たすぎるフードや熱すぎるフードは、口内炎の猫には刺激になることがあります。人肌程度の温かいフードは香りが立ち、食欲を刺激する効果も期待できます。
3. 食事環境の改善
- 静かな場所で: 食事中は落ち着ける静かな環境を用意しましょう。
- 高さのある食器: 首を下げなくても食べられるように、高さのある食器に変えてあげるのも良いでしょう。
- 浅い皿: ヒゲが当たらないよう、浅い皿や平らなプレートを使うと食べやすいことがあります。
- 手から与える: 痛みが強く食器から食べられない場合は、清潔な手で少量ずつ与えてみるのも一つの方法です。
4. ストレス軽減
口内炎の猫は痛みだけでなく、ストレスも感じやすい状態です。安心できる環境を提供し、過度な干渉は避け、猫がリラックスできる時間を大切にしましょう。優しく話しかけたり、静かに撫でてあげたりすることも有効です。
5. 水分補給の徹底
食欲不振に加えて水分不足に陥ると、脱水症状を起こしやすくなります。新鮮な水を常に用意し、ウェットフードやスープ状の食事で水分を補給できるよう工夫しましょう。
自宅でできる猫の口内炎ケアと予防策
口内炎の根本的な治療は獣医による診断が必要ですが、自宅でできるケアと予防策で症状の悪化を防ぎ、再発リスクを減らすことができます。
1. 定期的な口腔ケア
可能であれば、毎日歯磨きを行い、歯垢や歯石の蓄積を防ぎましょう。猫用歯ブラシや指サックタイプの歯ブラシ、猫用歯磨きジェルなどが市販されています。歯磨きが難しい場合は、口腔ケア用のウェットティッシュや液体歯磨きを試してみるのも良いでしょう。子猫のうちから慣れさせることが大切です。
2. 免疫力維持のための健康管理
バランスの取れた質の良い食事、適度な運動、十分な休養を心がけ、猫の免疫力を健康に保ちましょう。ストレスを軽減することも免疫力維持に繋がります。
3. ウイルス感染予防
多頭飼育の場合は、感染症の拡大を防ぐために衛生管理を徹底しましょう。ウイルス感染が疑われる場合は、獣医と相談し、適切な管理を行いましょう。
4. 定期的な健康チェック
日頃から愛猫の口の中や歯茎の状態をチェックする習慣をつけましょう。早期に異変に気づくことで、重症化する前に対応できます。
動物病院を受診すべき目安

猫の口内炎は、自宅でのケアだけでは治らないことが多く、特に食欲不振が続く場合は早めに獣医の診察を受けることが非常に重要です。以下のような場合は、すぐに動物病院を受診しましょう。
- 食欲不振が24時間以上続く、または全く食べない
- 水を飲まない、脱水症状が見られる
- 口の痛みがひどく、触られるのを極端に嫌がる
- ヨダレに血が混じっている、口臭が異常に強い
- 元気がなく、ぐったりしている、発熱などの他の症状を伴う
- 体重が急激に減少している
これらの症状が見られる場合、放置すると栄養失調や脱水、全身状態の悪化に繋がりかねません。獣医による正確な診断と適切な治療が必要です。
まとめ:愛猫の「食べたい」を支えるために
猫の口内炎は、愛猫の食欲不振という形で現れ、飼い主さんを心配させることの多い症状です。しかし、そのサインに早く気づき、適切な対策を講じることで、愛猫の苦痛を和らげ、快適な毎日を取り戻すことができます。
自宅でできる食事の工夫や口腔ケア、環境整備を実践しつつ、症状が改善しない場合や重症化が疑われる場合は、迷わず動物病院を受診してください。愛猫の「食べたい」という気持ちを大切にし、飼い主さんができる限りのサポートをして、愛猫がいつまでも元気に食事を楽しめるように支えていきましょう。

