【知ってほしい】ペットショップの前に。保護猫を家族に迎えるという選択

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【知ってほしい】ペットショップの前に。保護猫を家族に迎えるという選択肢

「猫を飼いたい!」そう考えたとき、多くの方がまずペットショップをイメージするかもしれません。可愛い子猫たちが並ぶ姿は、確かに心を惹きつけます。しかし、新しい家族を迎え入れる方法は、ペットショップだけではありません。

実は、日本では毎年数万匹もの猫が殺処分されています。その一方で、多くの保護団体や個人ボランティアが、温かい家庭を求めている猫たちを保護し、新しい飼い主さんとの出会いの場を提供しています。この記事では、ペットショップで猫を買う前に、ぜひ知っていただきたい「保護猫を家族に迎える」という選択肢について、詳しくご紹介します。

命を救うだけでなく、あなた自身の生活も豊かにしてくれるかもしれない保護猫との出会い。その魅力と、迎え入れるための具体的なステップ、そして心構えについて、じっくりと考えてみましょう。
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なぜ「保護猫」を選ぶべきなのか?保護猫を迎えるメリット

保護猫を家族に迎えることは、単に猫を飼う以上の、多くのメリットと喜びをもたらしてくれます。

1. 命を救うという尊い選択

これが保護猫を迎える最大のメリットです。行き場を失った猫、捨てられた猫、虐待された猫など、様々な事情で保護された猫たちは、新しい家族との出会いを待っています。あなたが一匹の猫を迎え入れることで、その猫の命を救うだけでなく、保護団体が新たな猫を保護するスペースと機会を生み出すことにも繋がります。

2. 個性豊かな出会いがある

ペットショップの子猫は幼く、まだ個性が見えにくいことが多いですが、保護猫には様々な年齢、性格、バックグラウンドを持つ猫たちがいます。子猫から成猫まで、あるいは老猫まで、豊富な選択肢の中から、あなたのライフスタイルや性格にぴったりの猫と出会える可能性が高いです。

  • 子猫:活発で遊び好き。一からしつけたい方、成長を見守りたい方に。
  • 成猫:すでに性格が確立しており、落ち着いている子が多い。しつけや世話の手間が比較的かからないため、初めて猫を飼う方にもおすすめです。
  • 老猫:残りの人生を穏やかに過ごさせてあげたいという、深い愛情を持つ方へ。

猫とあなた

3. 健康状態や性格がある程度把握されている

多くの保護団体では、猫を保護した後、健康チェック(ワクチン接種、不妊去勢手術、ノミ・ダニ駆除など)や基本的なケアを行っています。また、ボランティアさんの元で生活していることが多いため、それぞれの猫の性格や癖、他の動物や人間との相性などがある程度把握されています。これにより、新しい家族は安心して猫を迎え入れ、ミスマッチを防ぐことができます。

4. 高額な初期費用を抑えられる場合がある

ペットショップで血統書付きの猫を購入する場合、本体価格だけで数十万円かかることも珍しくありません。一方、保護猫の場合、猫本体の価格はかかりません。多くの場合、「譲渡費用」として、初期医療費(ワクチン、不妊去勢手術、マイクロチップ装着など)の一部を負担する形になりますが、これはペットショップで購入した後に自身で行う費用と比較しても、抑えられることが多いです。

5. 飼育に関するアドバイスが受けられる

保護団体やボランティアの方々は、猫の飼育に関する豊富な知識と経験を持っています。迎え入れる際や、飼い始めた後に何か困ったことがあれば、気軽に相談できるという心強いサポートがあることも大きなメリットです。

保護猫を迎え入れるまでの具体的なステップ

保護猫を迎え入れるプロセスは、ペットショップで猫を買うのとは少し異なります。ここでは、一般的な流れをご紹介します。
譲渡費用

ステップ1:保護団体や譲渡会を探す

まずは、お住まいの地域で活動している保護団体や動物愛護センター、定期的に開催されている譲渡会を探しましょう。インターネット検索やSNS、地域の広報誌などで情報を得ることができます。最近では「保護猫カフェ」も増えており、実際に猫たちと触れ合いながら相性を確認できる場所もあります。

ステップ2:猫について知る・希望を伝える

気になる猫がいたら、その猫の年齢、性格、健康状態、これまでの経緯などを詳しく尋ねてみましょう。同時に、あなたの家族構成、住居環境(賃貸・持ち家、広さ、防音対策など)、飼育経験、ライフスタイルなどを伝え、あなたがどのような猫を求めているのか、どのような猫があなたの家庭に合うのかを相談しましょう。

 

ステップ3:申し込み・審査

多くの保護団体では、里親希望者に対して簡単な審査を行います。これは、猫が二度と不幸な目に遭わないようにするための大切なプロセスです。以下のような点が確認されます。

  • 住居環境:ペット可物件であるか、脱走防止対策は可能か。
  • 経済力:猫を生涯にわたって養える経済力があるか。
  • 家族構成・ライフスタイル:留守番時間の長さ、アレルギーの有無など。
  • 飼育経験:過去の飼育経験や、猫に関する知識。
  • 終生飼育の意思:最期まで責任を持って飼い続ける覚悟があるか。
  • 不妊去勢手術、ワクチン接種への理解:適切な医療ケアを行うことへの同意。

この審査は、猫とあなたが幸せに暮らすために不可欠なものです。正直に情報を提供し、疑問があれば積極的に質問しましょう。

ステップ4:お見合い・トライアル期間

審査を通過すると、猫とのお見合いが行われます。実際に猫と触れ合い、相性を確認する大切な時間です。その後、多くの団体では「トライアル期間」(お試し期間)を設けています。通常1週間から数週間、実際に家庭で猫と一緒に生活し、お互いに慣れていく期間です。この期間中に、猫が新しい環境に馴染めるか、家族と問題なく暮らせるかを確認します。

ステップ5:正式譲渡

トライアル期間を無事に終え、猫とあなたが「正式な家族」となる準備が整ったら、譲渡契約を結び、譲渡費用を支払います。これで、あなたは晴れて猫の里親となり、新たな生活がスタートします。

保護猫を迎え入れる際の費用について

保護猫を迎える場合、猫本体の価格はかかりませんが、「譲渡費用」が発生することが一般的です。この費用は、保護団体が猫のために費やした医療費やケア費用の一部を里親に負担してもらうものです。

譲渡費用の内訳(目安:2万円〜5万円程度)

  • ワクチン接種費用:複数回行われていることが多いです。
  • 不妊去勢手術費用:多くの場合、保護されている間に済まされています。
  • ノミ・ダニ駆除費用:保護時に行われています。
  • ウイルス検査費用:猫エイズ、猫白血病などの検査費用。
  • マイクロチップ装着費用:迷子になった際の身元確認のため。
  • その他:保護期間中の食費、消耗品費など。

これらの費用は団体によって異なりますが、ペットショップで猫を迎え入れた後にこれらの医療行為を自分で行うことを考えると、総額では抑えられることが多いです。また、これらのお金は、次の保護猫を救うための貴重な資金として使われます。

トライアル期間

 

保護猫を迎え入れる上での心構えと注意点

保護猫との生活は喜びも多いですが、いくつかの心構えと注意点も知っておきましょう。

1. 過去の経験に配慮する

保護猫の中には、過去に辛い経験をしてきた子もいます。人間に対して警戒心が強かったり、特定の音や行動に怯えたりすることがあるかもしれません。焦らず、猫のペースに合わせて、時間をかけて信頼関係を築く努力が必要です。

2. 環境の変化に慣らす時間が必要

新しい環境に馴染むまでには時間がかかります。迎え入れたばかりの頃は、ケージや一室で過ごさせ、徐々に活動範囲を広げていくなど、猫が安心して環境に慣れるための配慮が必要です。

3. 予期せぬ病気の可能性

保護されている間に健康チェックは行われていますが、ストレスや環境の変化によって体調を崩したり、潜在的な病気が発症したりする可能性もゼロではありません。定期的な健康チェックはもちろん、異変を感じたらすぐに獣医に相談できる準備と心構えが必要です。

注意点

猫アレルギーがある方は、迎え入れる前に必ずご自身の症状を確認し、猫と触れ合って問題がないか確認しましょう。また、小さいお子さんや先住動物がいる場合は、相性を慎重に見極める必要があります。

4. 長い目で見て向き合う覚悟

保護猫に限らず、猫との生活は喜びだけでなく、困難なこともあります。病気になった時、問題行動を起こした時など、様々な状況で猫と真摯に向き合い、解決策を探す覚悟が必要です。猫が天寿を全うするまで、家族の一員として愛情を注ぎ続けることが、何よりも大切です。

まとめ:保護猫との出会いが、あなたの人生を豊かにする

ペットショップで可愛い子猫に目を奪われる気持ちはよくわかります。しかし、その前に、ぜひ「保護猫を家族に迎える」という選択肢があることを知ってほしいと願っています。

保護猫たちは、それぞれの個性と物語を持っています。彼らを家族に迎え入れることは、単に一匹の猫を飼うこと以上の、かけがえのない経験と深い喜びをあなたにもたらしてくれるでしょう。そして、行き場を失った命を救うという、社会貢献にも繋がる尊い行動です。

新しい家族を迎えたいと願うあなたの選択が、一匹の猫にとって、そしてあなたにとって、最高の出会いとなることを心から願っています。ぜひ、地域の保護団体や譲渡会に足を運び、たくさんの保護猫たちに会ってみてください。きっと運命の出会いが、あなたを待っています。