愛猫が急にブルブルと震え出したら、飼い主さんとしては心配でたまらないでしょう。「どこか具合が悪いのかな?」「寒いだけ?」と、様々な思いが頭を駆け巡るはずです。
猫が震える原因は多岐にわたり、中には緊急性の高い病気が隠されていることもあれば、一時的な生理現象であることもあります。
このブログ記事では、猫が震える様々な原因と、それぞれのケースで見られる具体的な症状、そして飼い主さんがご自宅でできる対処法や、すぐに動物病院を受診すべき危険なサインについて詳しく解説していきます。愛猫の小さな変化に気づき、適切な対応ができるよう、一緒に知識を深めていきましょう。
まずは落ち着いて!猫が震える時のチェックポイント
愛猫が震え始めたら、まずは慌てずに以下の点を落ち着いて観察・確認しましょう。これは、原因を特定し、適切な行動をとるための重要な情報になります。
- 震え方: 体全体か、一部(足、頭など)か?小刻みか、大きく痙攣に近いか?
- 震えの持続時間: 一時的か、長時間続いているか?
- 震え以外の症状:
- 元気、食欲はあるか?
- 呼吸は速いか、苦しそうか?
- 嘔吐、下痢はないか?
- ぐったりしているか?意識はあるか?
- 体を触ると嫌がる、痛がるか?
- 体温はどうか?(熱い、冷たいなど)
- 排泄は正常か?
- 震えが始まった時の状況:
- いつから震えているか?
- 何か異物を食べた可能性はないか?
- 外傷を負った可能性はないか?
- 大きな音や見慣れないものを見た後か?
- 室温は適切か?
- 何らかのストレスや不安を感じるような出来事があったか?
猫が震える主な原因と見分け方
猫が震える原因は、大きく分けて「生理的なもの」と「病気や体調不良によるもの」に分けられます。それぞれについて詳しく見ていきましょう。
安心できる「生理的な震え」
これらの震えは、通常は一時的で、震え以外の明らかな異常が見られない場合に考えられます。しかし、過度なストレスや寒さは、猫の体調を崩す原因にもなりうるため、注意が必要です。
1. 寒さ
- 症状: 体を丸める、毛を逆立てる、耳や手足の先が冷たい、鼻水など。
- 見分け方: 室温が低い場合や、エアコンの風が直接当たっている場合など。体を温めると震えが収まります。
- 対処法: 室温を適切に保つ(20〜25℃が目安)、暖かく過ごせる場所を用意する、毛布をかけてあげるなど。
2. 恐怖・不安・ストレス
- 症状: 耳を伏せる、瞳孔が拡大する、しっぽを股の間に巻き込む、唸る、隠れる、呼吸が速いなど。
- 見分け方: 雷や工事の音、来客、動物病院への移動、引越し、新しいペットが増えたなど、猫が苦手な状況や変化があった時に見られます。
- 対処法: 安心できる隠れ家を提供、優しく声をかける、原因となるものから遠ざける、フェロモン製剤の利用も有効な場合があります。無理に触ろうとせず、落ち着くまで見守りましょう。
3. 痛み
- 症状: 特定の場所を触ると嫌がる、攻撃的になる、姿勢がおかしい、食欲不振、元気がないなど。震えは痛みを我慢しているサインであることがあります。
- 見分け方: 高いところから落ちた、ぶつかった、誰かに踏まれたなど、外傷の可能性がある場合。歯周病や関節炎など、慢性的な痛みの場合もあります。
- 対処法: 痛みの原因を特定するのは難しいため、異変を感じたらすぐに動物病院を受診しましょう。
4. 興奮・期待
- 症状: しっぽを振る、喉を鳴らす、小刻みに足踏みをする、瞳孔が拡大するなど。
- 見分け方: ごはんやおやつをもらう前、飼い主さんが帰宅した時、大好きな遊びが始まる前など、嬉しいことや楽しいことが起こる直前に見られることがあります。
- 対処法: この場合は心配ありません。猫の感情表現の一つです。
5. 夢を見ている時
- 症状: 寝ている時に足やひげ、体がピクピク動く、鳴き声を発する、寝言を言うなど。
- 見分け方: 完全に寝ている状態で、外部からの刺激に反応しない時に見られます。
- 対処法: 心配ありません。猫も人間と同じように夢を見ている証拠です。起こさずにそっと見守りましょう。
危険なサイン!「病気や体調不良による震え」
次に挙げる震えは、何らかの病気や深刻な体調不良のサインである可能性が高く、迅速な対応が必要です。これらの症状が見られた場合は、迷わずすぐに動物病院を受診しましょう。
1. 低体温症
- 症状: 体の冷え、ぐったりしている、呼吸が浅い、意識が朦朧としている、震えが止まらない。
- 原因: 長時間寒い場所にいた、病気による代謝低下、麻酔覚醒時など。
- 危険度: 高。命に関わる場合があります。
- 対処法: 暖かい毛布でくるむ、湯たんぽ(低温やけどに注意)などで体を温める。ただし、急激な加温は危険な場合があるため、応急処置をしながらすぐに動物病院へ。
2. 発熱
- 症状: 体が熱い、ぐったりしている、食欲不振、元気がない、震え(寒気を感じている可能性がある)。
- 原因: 感染症(猫風邪、FIPなど)、炎症、中毒など。
- 危険度: 中〜高。原因によっては重篤な病気が隠れていることも。
- 対処法: 体を冷やしすぎないように注意しながら、すぐに動物病院を受診しましょう。
3. てんかん発作・痙攣
- 症状: 意識の喪失、全身または一部の筋肉の硬直や痙攣、泡を吹く、失禁、よだれなど。震えというよりは「痙攣」に近い動き。発作後は意識が朦朧としたり、徘徊したりすることがあります。
- 原因: 脳腫瘍、脳炎、外傷、中毒、代謝性疾患など様々。原因不明の特発性てんかんもあります。
- 危険度: 高。特に長時間続く場合や繰り返す場合は危険です。
- 対処法: 発作中は無理に触らず、周囲の危険物を取り除いて安全を確保。発作の様子(時間、部位など)を記録し、終了後すぐに動物病院へ。
4. 中毒
- 症状: 嘔吐、下痢、よだれ、呼吸困難、ふらつき、瞳孔異常、意識障害、痙攣、震えなど。
- 原因: 殺虫剤、植物(ユリなど)、チョコレート、人間の薬、洗剤など、猫にとって有害なものを口にした場合。
- 危険度: 極めて高。緊急性が非常に高いです。
- 対処法: 何を、どれくらい食べたかを確認し、すぐに動物病院へ連絡。無理に吐かせようとしないこと。
5. 痛みによる震え(特に激しい場合)
- 症状: 激しく体を震わせる、呼吸が速い、心拍数増加、叫び声、触ると激しく嫌がる、横になるのを嫌がるなど。
- 原因: 骨折、内臓疾患(膵炎、腎臓病、尿路結石、膀胱炎など)、椎間板ヘルニア、熱傷など。
- 危険度: 高。原因によっては緊急手術が必要な場合も。
- 対処法: 体を無理に触らず、安全な場所に移動させ、すぐに動物病院へ。
6. 代謝性疾患
- 低血糖: ふらつき、ぐったり、震え、意識障害など。特に子猫や糖尿病の猫でインスリン投与量が多い場合に起こりやすい。
- 腎臓病・肝臓病: 進行すると全身状態が悪化し、震えや脱力、食欲不振、嘔吐などが見られることがあります。
- 甲状腺機能亢進症: 高齢猫によく見られ、代謝が異常に高まり、体重減少、食欲増加、多飲多尿、活動性亢進に加え、小刻みな震えが見られることがあります。
これらの疾患は、獣医師による検査と診断が必要です。震えだけでなく、他の症状も併せて観察し、異常を感じたらすぐに動物病院を受診しましょう。
自宅でできる応急処置と動物病院に行くべきタイミング
愛猫が震えている場合、まずは落ち着いて状況を判断することが重要です。
自宅でできる応急処置(緊急性がないと判断した場合)
- 保温: 寒がっているようであれば、毛布でくるんだり、暖房をつけたりして体を温めてあげましょう。
- 安心させる: 恐怖やストレスが原因であれば、静かで安心できる場所に移動させ、優しく声をかけたり、見守ったりしましょう。無理に抱き上げたりせず、猫のペースに合わせます。
- 水分補給: 脱水が疑われる場合は、少量ずつ水を与えてみましょう。無理強いは禁物です。
すぐに動物病院に行くべきサイン
以下のような症状が見られる場合は、迷わずすぐに動物病院を受診してください。
- 震えが長時間続く、あるいは悪化する。
- 震えが止まらない痙攣(てんかん発作のような動き)。
- 意識が朦朧としている、呼びかけに反応しない。
- 呼吸が苦しそう、非常に速い、または遅い。
- 激しい嘔吐や下痢を繰り返している。
- 体を触ると激しく痛がる、鳴き叫ぶ。
- ふらつきがひどい、立てない、歩けない。
- 口から泡を吹いている、よだれが止まらない。
- 体温が異常に高い、または異常に低い。
- 明らかにぐったりしている、元気がない。
- 異物を食べた可能性がある。
- 外傷や出血が見られる。
これらの症状は、命に関わる緊急事態である可能性が高いです。夜間や休日であっても、緊急診療を行っている動物病院に連絡し、指示を仰ぎましょう。
まとめ:愛猫の命を守るために、日頃からの観察を
愛猫が震える原因は様々ですが、そのほとんどが何らかのメッセージを発しています。寒さや興奮といった一時的なものもあれば、痛みや深刻な病気のサインであることも。
最も大切なのは、飼い主さんが日頃から愛猫の様子をよく観察し、いつもと違う変化にいち早く気づいてあげることです。そして、それが単なる生理現象なのか、それとも動物病院を受診すべき緊急性の高いサインなのかを判断できる知識を持つこと。
もし愛猫が震え始めて不安になったら、まずは落ち着いて観察し、この記事で紹介したチェックポイントと危険なサインを照らし合わせてみてください。そして、少しでも異変を感じたら、迷わず動物病院の専門家を頼りましょう。
私たち飼い主の注意深さが、愛猫の健康と命を守る盾となります。愛猫がいつまでも元気に、穏やかに過ごせるよう、日々のコミュニケーションと観察を大切にしていきましょう。

